ヨーロッパの民族衣装というと、
可愛らしいイメージがありますよね。
エストニアも例外ではありません。
エストニアの民族衣装は
19世紀頃の農民の格好がもとになっていると
言われており、民族の象徴として
現在まで用いられています。
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民族衣装の特徴
エストニアの民族衣装の特徴といえば、
地域による多様性です。
国の面積は小さいですが、
服の模様や装飾品など、地域によって
かなりの差があります。
特に女性の服は
違いが顕著にみられます。
基本構成
全ての地域の民族衣装に共通する特徴を紹介します。
女性
女性用は、未婚・既婚で異なります。
共通なのは、
袖がふくらんだブラウス
スカートまたはジャンパースカート
帯
短いジャケットまたはベスト
です。
未婚女性は、
後ろにリボンがついたヘアバンドをつけます。
既婚女性は、頭巾または帽子をかぶり、
エプロンを付けます。
装飾品は、
金属の鎖や琥珀を身に着けます。
祭日には肩掛けを羽織ります。
白や黒、茶色の羊毛でできていて、
フチに刺繍がほどこされています。
20世紀以降は、
ウールのスカーフが使われています。
男性
男性の場合、
婚姻状況による服装の差異はありません。
白い亜麻のシャツ
ズボン
ジャケットまたはベスト
を着ます。
シャツのすそはズボンの中に入れます。
夏には羊毛フェルト製の
厚手のふちなし帽をかぶります。
冬は、耳あて付の毛皮でできた帽子
をかぶります。
男女ともに、靴は
木や樹皮でできたワラジを履いていました。
19世紀末以降は、
革靴やブーツが使われています。
また、上着として
毛糸または羊の毛皮のロングコートを着ます。
各地の民族衣装
エストニアは、大まかに
5つの文化圏に分かれています。
それぞれの文化圏の特徴を
紹介していきます。
北エストニア
周辺の国々の流行を色濃く受けた地域で、
男性の半ズボンや女性の縦縞スカートなどに
その特徴がみられます。
女性は袖なしシャツの上に
長袖ブラウスを着ます。
長袖ブラウスの胸元部分は、
上の画像のようにフリルで覆われています。
他に、花柄のボンネットを被ります。
西エストニア
羊毛でできた茶色や黒の上着を用います。
女性は三角に追ったスカーフを
肩にかけます。
ボンネットのような帽子は教区ごとに
デザインが分かれています。
教区とは
宗教組織が行政などを行うために分けた
地域の単位のこと。
南エストニア
隣接するラトビアやロシアの影響が
みられます。
例えば、女性の長袖ブラウスに施されている
赤い幾何学模様の刺繍は、
ロシアの民族衣装にもみられる特徴です。
腰から下半身後部に飾り布を垂れ下げるのも
特徴です。
他の地方では、
男性のシャツをズボンの中に入れますが
南エストニアでは外にだします。
女性の頭巾は頭全体を覆うもので、
残りは後ろに垂らします。
セト地域
南エストニアの中でも、
セト族が暮らすセト地域は
ロシアに属していた歴史が長く、
影響が色濃く残っています。
最大の特徴として挙げられるのは、
女性が身に着ける銀製の装飾品です。
装飾品の数は、身に着ける本人の裕福さを
示しています。
胸元の真ん中にある半球状の銀の飾りは、
重さが2キロにもなります。
島嶼地域
島により大きな違いがみられます。
未婚女性もエプロンを付けるのが
共通した特徴です。
特にムフ島では
独特の刺繍が伝えられています。
その刺繍は、ブラウスやエプロン、靴にまで
ほどこされています。
花嫁衣裳に
アコーディオンのじゃばらのような
プリーツスカートをはくこと点も独特です。
いかがでしたか?
今回はエストニアの民族衣装について
紹介しました。
ぜひ参考にしてくださいね!
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