突然ですが、先日、TRANSIT47号を買いました。
永久保存版と称したバルト三国特集をしていたからです。
軽い気持ちで買ってみたところ、あまりにも素晴らしくて感動したので、TRANSITの良さを広めるべく、この記事を書きました。
・どこがすごいのか?
・強いて言うなら難点は?
・どんな人に読んでほしいか
この切り口から、レビューしてみました。
Contents
そもそもTRANSITとは?
TRANSIT、名前を聞いたことない人もいるかもしれませんね。
TRANSITとは、旅をテーマにしたカルチャー雑誌の名前です。
毎号、世界の様々な国での取材がまとめられています。
いわゆる旅行ガイドブックとは異なり、国の文化、歴史、政治など、かなりコアな部分まで取材されています。
最近の特集は「永久保存版」と称されていて、1冊のほとんどのページを特集が占めているという力のいれようです。
実際旅に行ったどころか、普通の旅行ではできないような、ディープな体験をした気分になれます。
毎号1800円+税という、雑誌として決して安くはない価格ですが、その内容の濃さから大変人気があります。
TRANSITバルト特集のすごいところ
すごいところを挙げればキリがないのですが、3つのポイントにまとめると
・とにかくボリュームがある
・写真やデザインが綺麗
・付録の冊子もすてき!
といったかんじです。
とにかくボリュームがある
永久保存版と銘打っているだけあり、内容が幅広くて濃いです。
バルト三国の基本データから、歴史、宗教、工芸品、ポップカルチャーや政治、技術まで、多方面からそれぞれの国について迫っています。
特に、他の旅行本と一線を画していると思ったのは、現地のなもなき人々のくらしが取材されているところです。
エストニアの離島に住む人々への取材なんて、なかなか読む機会もないですよね。
今でも、女性たちが一人一人違う赤いスカートをはいている島があるなんて、筆者も知りませんでした。
島の伝統はユネスコ無形文化遺産に登録され、観光業という新たな産業を得たものの、伝統と産業のバランスや島民の高齢化など、一筋縄ではいかない島の問題も浮き彫りになっていました。
長年取材を続けてきて、人々と心を通わせられるようになった人だからこそ書ける珠玉の記事が書かれています。
内容が気になる人は、こちらから試し読みできますよ!
写真やデザインが綺麗
詳しく書いてある本や雑誌って、図や写真が少なくて難しい印象がありますよね。
TRANSITの説明ページは、図やレイアウトがみやすく、視覚的にわかりやすいんです。
特に写真は、何人ものフォトグラファーが編集に関わっているだけあり、現地の空気感も感じられるハイクオリティさです。
【いつかまた世界で】
青い海にダイブ!#TRANSITathome#いつかまた世界で pic.twitter.com/eYqpWbVtfx— TRANSIT (@transitmag) April 13, 2020
文章を読んでいなくても、かわいらしい絵や綺麗な写真が載ったページをボーッと眺めているだけで満足します。
雑誌だけでなく、写真集としての価値も高いです。
付録の小冊子もすてき!
TRANSITには、付録として小冊子も付いています。
で、この小冊子はまず名前からして特別っぽいんですね。
タイトルは“The Hidden Gems of The Baltic States”
日本語で「秘密のバルトツアー」と書かれています。
「秘密の」とついているだけで惹かれますね。
もちろん、内容だって充実しています。
首都のおすすめのレストランやお土産屋さんはもちろん、特色ある地方都市の情報も載っています。
そのほかに、ファームステイなどの特徴的な施設、各地のお祭りカレンダーなど、ユニークな旅をするヒントが詰まっています。
これからバルト三国を旅する人必読のガイドブックです。
少し気になった点
今まで書いた通り、TRANSITは、筆者からすると申し分ないすばらしい雑誌でした。
しかし、長所があれば短所もあるもの。
あまり評価を下げることはしたくないのですが、合わない人はいると思ったので、気になったことを2点書きます。
字が小さい
雑誌あるあるですが、TRANSITは全体的に字が小さいです。
デザインがとてもきれいなので、その代償といえば仕方がないですね…
筆者は字が小さくても問題なかったのですが、それでも夢中になって読んだ後は、目が疲れてしまいました。
老眼や弱視の方は、読みづらいと感じるかもしれません。
電子版であれば文字を拡大できるので、致命的ではないと思います。
旅行ガイドにはテーマが幅広すぎるかも?
TRANSITは内容のボリュームがすごいと書きましたが、それ故に旅行雑誌の枠を超えてしまっています。
なので、
おすすめの観光スポットが知りたい!交通事情が知りたい!
といった、旅行に関する情報がほしい人にとっては、内容がすこしズレていると感じるかもしれません。
とにかく、旅行ガイドとは異なる立ち位置の雑誌なのです。
旅行に必要な情報さえ入ればいいという人は、他の旅行ガイドをあたってみましょう。
おすすめは、「地球の歩き方 バルト三国の国々2019~2020」です。
こんな人におすすめ
バルト三国をよく知らない人
意外に思うかもしれませんが、バルト三国の名前くらいしか知らない人にはおすすめです。
なぜなら、読めばバルト三国がどういう場所かよくわかるし、今すぐ行きたくなるような魅力が紹介されているからです。
もちろん、バルト三国が大好きな人や興味ある人にもぜひ読んでほしいです。
特に知的好奇心が強い人にとっては、非常に楽しめる内容です。
巻末には参考文献リストも載っています。
気になることがあったら、それらの本を読んでみるのもよいでしょう。
旅行に行きたくても行けない人
忙しくてまとまった時間がとれない、お金がない、などの理由から、バルト三国に行きたくても行けない人はいますよね。
そんな人にとって、この本はとても役に立つと思います。
なぜなら、読めば現地に行ったような気分を味わえるからです。
取材者を通して語られる現地での体験は、まるで絵本からおとぎ話の世界をのぞくように、私たちの世界を広げてくれます。
普通の旅行ガイドでは物足りない人
バルト三国に旅行したいが、他人とは違う体験がしたい!という人には、ぜひとも読んでほしいです。
単なる旅行ガイドであれば、他のガイドブックで十分です。
でも、TRANSITを読めば、一味ちがう旅をするヒントを見つけられます。
たとえば、エストニアのデザインに興味を持ったなら、ひらすら街中のデザインを探検し続ける旅を企画したらどうでしょうか。
ただ街を歩いていたらできなかった発見ができるかもしれません。
それは、あなたにとって貴重な体験となるでしょう。
旅行好きなら定期購読がおすすめ!
TRANSITは人気が高く、号によってはすぐに完売してしまうこともあります(本号も、amazonの「紀行文・旅行記」で1位をとりました。)。
しかも、一度売り切れになると新品がほぼ購入不可能です。
中古品は高値で取引されていることもあります。
もし、あなたが旅行が好きでTRANSITの良さを感じたなら、ぜひ定期購読をおすすめします。
定期購読なら定価の5%オフで、しかも電子版が無料でついてきます!
いかがでしたでしょうか。
今回は、TRANSITバルト特集についてレビューしました。
ぜひ手にとっていただけたら幸いです。
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