フィンランドの先住民、サーミ人の民族衣装は「コルト」と呼ばれています。
カラフルで可愛らしいですね。
しかしこの服には、すごい秘密が隠されているのです。
今回は、そんなコルトのすばらしさについて紹介します。
特徴は?
コルトは、とにかく機能性がバツグンです。
厳しい寒さに対応した、頑丈な素材が使われます。
サーミ人が住むのは、北欧の中でも北の方で、なんと北極圏にも入る領域です。
冬には-30C°にもなる厳しい寒さの世界では、体の熱を逃がしてしまうと命に関わります。
それに加え、サーミ人はトナカイの放牧や漁業など、野外で労働をして生活しています。
想像してみてください。
一年の大半は厳しい風雪にさらされ、現代と違い暖房もない中、屋外で活動するのです。
もし寒かったり、
水に濡れて服が駄目になったり、
服が破けて冷たい隙間風が入ってきたりしたら、
どうでしょう?
不便な上に、生命の危機を感じますよね。
防寒性や耐水性、激しい動きにも堪える頑丈さが求められるのも頷けます。
この機能性を叶えられる素材は、現地の動植物です。
現地には、厳しい環境を生き延びたものだけが生息しているからです。
サーミ人が住む大地の生物といえば、トナカイです。
ロヴァニエミにはサンタクロースの村がありますが、そういえばサンタクロースもトナカイにソリを引かせていますよね。
コルトにもトナカイから作った素材が重宝されます。
民族衣装のデザイン
基本構成は
男性:チュニック+ズボン+ベルト+ブーツ
女性:ワンピース+ベルト+ブーツ
です。
男女では若干の服装の違いがあるものの、目立った違いは見られません。
女性は、盛装する時、襟元に三角形のスカーフを身に付けます。
色は白で、絹でできており、長いフリンジが付いています。
チュニック(ワンピース)
チュニックやワンピースは、ゆったりしたベル型です。
裾にはフリルが付いています。
生地は青系のラシャ地です。
裾、襟、胸元には、赤を基調とした暖色系の模様がはいっています。
風が入らないようにするため、開き口はほとんどありません。
脱ぎ着するときは、胸元のホックを外したりつけたりします。
ベルト
腰には革ベルトを巻きます。
男性は革ベルトを低めの位置に巻きます。
こうすることで、生地に余裕をもたせ、腕が動きやすいようになっています。
一方、女性はウエスト部分につけます。
靴
靴は、トナカイの皮で作ったブーツを履きます。
靴底には起毛素材が使われています。
起毛素材は雪をはじくため、歩くとき雪に埋もれずに済むのです。
足が雪に埋もれないための工夫は他にもあります。
皆さんが普段履く靴は、つま先の部分がまっすぐのびていますよね。
サーミ人の靴はつま先が上を向いているのです。
サーミ人の靴にも、雪深い大地を生き延びるための知恵が詰まっているのです。
他の国のサーミとの違い
サーミ人が住んでいるのは、フィンランドだけではありません。
ノルウェー、スウェーデン、ロシアにもサーミ人はいます。
地方によって装飾品などの細かい違いはありますが、生地の色も国によって違います。
フィンランドのサーミ人の服は青色をしています。
ノルウェーのサーミ人は紺色、スウェーデンのサーミ人は黒っぽい色の服を着ます。
まとめ
・サーミ人の民族衣装はコルトと呼ばれている
・コルトは機能性が抜群
・青系の生地+暖色系の装飾
・国ごとに生地の色が違う
いかがでしたか?
今回は、フィンランドの先住民サーミの民族衣装「コルト」について解説しました。
ぜひ参考にしてくださいね!
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